<映画>「抵抗」

「映画大好き!」という若い映画ファンで、このフランスの映画監督の名前を知っている人はどれぐらいいるのだろう?

ロベール・ブレッソン。生きていればもう100歳ぐらいになっているはずだ。(亡くなったという話は聞かないなあ)

その作風は、厳格にして非妥協的。職業俳優は一切使わない主義だという。俳優の自己陶酔的な、誇張された演技がキライなのだそうだ。役者の身として「それはどうかなあ」と思わないでもないけど、シロウト俳優ばかりを起用して作られたこの人の映画は、実際どれも、妥協というものがミジンもなく、画面からもストーリーからも、キビシさがヒシヒシと伝わってくるものばかりである。

この「抵抗」は、第二次大戦中、ナチスに捕えられたフランスのレジスタンスが、脱出に成功するまでを描いた話だ。劇的に盛り上げる仕掛けなど一切なく、主人公はただ黙々と、淡々と脱出のための準備を重ね、そしてついに成功する。そこには「大脱走」のようなサスペンスや、「第十七捕虜収容所」のような痛快なカタルシスがあるわけではないのだけど、まったく別種のサスペンス、別種のカタルシスが確かに存在している。

ブレッソンの映画については、今後もふれる機会があると思うので、今回はこれまで。次回は「う」で始まる映画です。