<映画>「マタンゴ」

ジャパニーズ・ホラー・クラシックとも呼ぶべき一本。コワイというよりはブキミ。この小文を書くために先日観直したのだが、やっぱりブキミだった。

7人の若者がヨットで遭難、無人島に漂着する。そこには1年以上前に流れ着いたとおぼしい難破船があり、乗組員は全員姿を消していて死体もなかった。

鳥も動物もおらず、食料の乏しいこの島に唯一ふんだんに生えているのがキノコ。難破船の船長が残した日誌によると、「マタンゴ」と呼ばれるこのキノコは食べると幻覚症状を起こすという。
極限状況の中、7人の間には深刻な対立が起こり、やがて一人は禁断のマタンゴを口にする……というストーリー(観たばかりだから結構詳細に書けるな)。

タネを明かせばこのマタンゴ、食べると自らもキノコになってしまうというものであって、難破船の乗組員は全員キノコになって生きていたのである。このキノコ造型が実にブキミでよい。なんでキノコってブキミなんだろう?店で売ってるシイタケとかはそんなでもないのになあ。

人物描写もナカナカ巧みで、なんか破局は起こるべくして起こっちゃうんだなあと、説得力がある。小泉博演じる船長が、直したヨットに乗って一人で逃げちゃうところがちょっとオドロキだけど、でもうなずける。
ラストの銀座の夜景が印象的で、ぼくも「白夜」という芝居をやった時にこんなカンジの背景にしようかと思ったものだ。しなかったけど。

次は「ご」で始まる映画です。