<映画>「バンド・ワゴン」

ぼくの好きなパターンの一つが「カムバック物」なのだが、このミュージカルはまさにそれ。この頃のMGMミュージカルはどれも好きだが、一本選ぶならこれだな。
往年の(要するに忘れられた)ミュージカルスター(アステア)が、友人たちの協力を得て舞台に返り咲こうとするのだが、共演のバレリーナ(シド・チャリシー)はとっつきにくそうだし、新進気鋭の演出家(ジャック・ブキャナン)は役者そっちのけで誰にも理解されない新演出に夢中になっている……

なんたってアステアがよい。羽が生えてるようなタップ。そしてシド・チャリシーとのやりとりがタノシイ。チャリシーがアステアからタバコをもらうシーンがぼくは大好きである。加えて有名な「ザッツ・エンターテインメント」。「世界は舞台、舞台は世界」のあの名フレーズ……ミュージカルを愛する人、特に芝居、ミュージカルに関わる舞台人に好まれる映画だと思う。

演出家のブキャナンが、出資者たちを前に新作の構想を披露するシーンがオカシイ。ここ、2000年のライブ「歌う男」の参考にさせてもらった。

次は「ごん」または「こん」で始まる映画です。