1985年 「泰山木の木の下で」
 作:小山祐士 演出:松本直子
 11月14日〜16日  於:日本大学芸術学部中講堂

後期総研。終戦直後の広島で、胎内被曝の堕胎を行なっている老婆と、それを逮捕した刑事との交流を描いた作品。

自分たちで作品を選んでるのに、かくも傾向がバラバラなのは、実習をとってる学生の全員が出演できる作品でなきゃいけない、という条件があったから。まず考えなきゃならないのはテーマなんかじゃなく「出演者の人数」なのだ。

さて、今となってはかなり時代をカンジさせるこの作品、19年前の上演当時にあっても「古いな」と思ってたことは事実で、ちょっとした脚色が施された。

シーンとシーンの間に男女2人のクラウン(道化役)が寸劇をやるのだが、このクラウンが未来人。核戦争でたった2人生き残った男女がこの芝居を見てる、という設定にしたのだ。この男のクラウンをやったのがぼく。未来人のセリフは主にベケット「しあわせな日々」から採られたが、ギャグ部分はぼくが作った(ように思う)。

衣裳がレオタードに吊りズボンという珍妙な寒々しいもので、舞台稽古中に悪寒がしたと思ったら、初日の朝39度近く熱が出た。あわてて医者にいって注射を打ってもらい、モーローとした状態で初日の舞台をつとめたのであった。

これ以来、カゼで熱を出したことは一度もない。

※ この時期、ぼくは初めての戯曲「雪降る聖夜の物語」を完成させた。このことはまたいずれ。