1989年 「マジィーク」
 作:三谷幸喜 演出:羽広克成
 ツール ド フォース  9月28日〜10月1日  於:恵比寿第一ファクトリー

ツールド最大の企画。ツールド単独ではできなかったので、羽広が外部プロデューサーと共同で企画したホラーミュージカル。

なんといっても顔ぶれが豪華。まず脚本は、当時「やっぱり猫が好き」でブレイク寸前だった三谷幸喜さん。そして音楽は、現在B' Zなどのアレンジャーとして知られる池田大介さん。メイクは映画「魔界転生」(昔の方)を担当した鳥羽いっこうさんと、よくまああの当時こんなメンツが実現したものだと思う。

倦怠期の恋人たちが映画館でのデート中「刺激がほしい」とつぶやく。その途端、彼らは不思議な世界「マジィーク」に連れ去られる。ここに住むのは、人に恐怖を与えることを生きがいとする住人ばかり。はたして二人は元の世界に帰れるのか?というストーリー。

とにかく大がかりすぎて、舞台稽古さえできず、いやそれどころか本番直前までセットも小道具も完成していない状態。正直ぼくは幕があかないんじゃないかと不安だった。ホリドリ博士役の三谷さんと、小道具のびっくり箱を作りながらロビーで話してたのを覚えている。

ぼくの役はロシア貴族・ニコライ36世。ロシアンルーレットが大好きで、おつきの者はみんな死んでしまいロボットに作り変えられているという設定。チェス盤のような模様のメイクに、ピエロのようなチェックの衣裳と、今思うとシルクドソレイユみたいだったなあ。ただ、どうしたって一目でロシア人には見えないので、言葉にロシア語風アクセントをつけようかと思ったのだがムズカシイのであきらめ、結局ベルクカッツェかゾル大佐ふうのアクセントになった。歌も一曲あった。「ロシアンルーレットのすすめ」スゴイ歌だったなあ。この役以外に、ぼくはサーカス団のタマネギ(見てない人にはなんのことやらわからないだろうけど、そんなフシギな生き物がいるサーカスだったのです)とゾンビ役でダンスも踊ったのであった。

なお、初日の幕はあくにはあいたが、段取りが悪くて、なんと上演時間3時間半! 「今夜は帰れません」なんていうアンケートがあった。ちなみに2日目からはなんとか3時間でまとまりました。

かくして、ツールドの1年目は終わったのであった。