1995年 「大逃亡 −義経と弁慶−」
 作・演出:羽広克成
 ツール ド フォース  5月31日〜6月4日  於:東京芸術劇場小ホール1

ツールド、記念すべきチャンバラアドベンチャーミュージカルの第一弾。

最初は「八犬伝」を企画していたのだが、折悪しくあちこちでやられていたので、俺が羽広に「義経弁慶モノはどうだ?」と提案し実現した。

客入れの時から仕掛けをするようになったのもこの頃から。義経と弁慶(吉田徹太・丸山久哉)の二人は客席を回って1円玉カンパを求める(これが逃走資金というワケ)。その間、舞台上では、目と口のトコロに穴のあいた紙袋をかぶって燕尾服を着た俺が、お客を相手にえんえんとアメリカンジョークを披露し続ける。開演時になると俺は袋をとり、源頼朝の顔を見せる。と、義経弁慶を追手が取り囲み、チャンバラが始まる。その決めで、大きく「大逃亡」と書かれた幕が振り落とされるというオープニング。今思えばカワイらしいものだったが、当時は結構興奮した。
ちなみにこの1円玉の逃走資金、船に乗るにも何をするにもいつも1円だけ足りない、という設定になっていて、そんな時現われるのが金貸しの吉次。tsumazuki no ishiの寺十吾さん、初参加だった。オカシかったな。

俺のやった頼朝はさまさまな魔力を持っていて、平清盛(青山穣)や木曾義仲(清水大輔)を蘇えらせたりもする、魔王のような役。でも妻の北条政子(鈴木裕子)にはアタマが上がらない。ライオンを役作りに取り入れ、人の顔を舐めたりした。客席に坐ってチャンバラを観てヤジ飛ばしたり、怒ると「ムキー」とか言ったり、結構お茶目なところもある悪役で、ツールド時代ではこの役が一番好きだったな。

「マスカラッド」以来、芝居の中ほどでゲームをやるというのがツールドのミュージカルのならわしで、「マスカラッド」ではフルーツバスケット、「マリオネット」では主犯共犯だったが、この芝居では王様ゲームだった。当時流行ってたからね。

あと、特筆すべきはテーマ曲。これは名曲だと思う。ぼくらの結婚披露宴では、この曲に合わせてうっちぃとあすかがチャンバラを見せてくれた。二人と初めて会ったのがこの芝居だったもんね。