【 開演前のながばなし 】
「赤い部屋」の初演は1995年である。この一人芝居をもって「おのまさしあたあ」は旗揚げした。そんなにたいしたことじゃないが。
この年1995年、日本中を騒がせたのは、阪神淡路大震災と地下鉄サリン事件であった。そんな中、この作品を演目に選んだのは・・・・・・たまたま前の年から決めていたからである。ガッカリさせたらゴメンなさい。ただ、大量殺人を扱ったこの作品は、ぼくの中のどこかで、現実に起こったこの2つの大事件と重なりあっていたことはたしかだと思う。
その後、1999年にも再演しているが、初演再演いずれの時も、現代物に書き直しての上演だった。だがこのあとである、携帯電話が飛躍的に普及し、一人に一台と言う世の中になったのは。
この「赤い部屋」で使われるトリックの半分は、携帯電話があれば成立しないというものなのだ。携帯の登場とは、かくもミステリ界に多大な影響を及ぼしたのである。そんなわけで、この「赤い部屋」は長いこと上演せずにいた。
今回、「いっそ原作が書かれた当時に設定を戻してやってやろうか」と思い、どうせそれなら、前々からやりたかった「心理試験」も一緒にやってしまえ、ということでこの企画の実現となった。
「赤い部屋」「心理試験」どちらも発表は大正14年。あの未曾有の大災害:関東大震災から2年後の話であるが、震災の影は話のどこにも見えない。この頃はもうすっかり復興できていたのかなあ、とチョットだけ明るい気になる。
では、開演までもうしばらくお待ちください。
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