【 開演前のながばなし 】

子供の頃からSFが好きだったため、「オペラ」というものを知るより先に「スペース・オペラ」というものを知り、さらにはそれが「荒唐無稽な宇宙冒険活劇」に対する蔑称だと知った。
その後、主婦向けのよろめきドラマは「ソープ・オペラ」、安手の西部劇は「ホース・オペラ」と呼ばれることを知る。とにかく、「オペラ」とは何かをおとしめる呼び名なのだ。本来、優雅で高級な芸術であるはずのオペラに対してこの扱いはなんとしたことか。

でも、考えてみれば、本家オペラの扱ってる題材がそもそも、おとぎ話だったり神話伝説だったりメロドラマだったり、およそリアリズムとはかけ離れたもので、筋書だけ聞けば「バカバカしい」の一言で片づけられそうなものばかりだ。
豪華な娯楽、お金持ちのための芸術、というイメージに目眩まされるが、実はオペラって本来、荒唐無稽な、たわいない、子供っぽい話をやるのに向いたジャンルなのかも、そんな気がする。

今回の芝居のもとになったワーグナーのオペラ「さまよえるオランダ人」からして相当に荒唐無稽な話であり、これを芝居でやるには、どこでリアリティを獲得したらいいかとか、結構アタマを悩ました。
ならばいっそ「オペラ」と銘打っちゃえばどうか、多少の荒唐無稽さは許されるんじゃないか、と思い、今回は「ジャンク・オペラ」と名づけた。「なんでオペラなのに歌ってないんだよお」というお客さんの出てくることは予想できますが、まあ、ソープ・オペラもホース・オペラもスペース・オペラも歌いませんからねえ。ご容赦あれ。

では、開演までもう少々お待ちください。

 

出演

森澤碧音 ・・・・・・・・・カタセ・リナ
おのまさし・・・・・・・・・ヴァンダーデッケン船長
羽野大志郎・・・・・・・・・ホレーショ一等航海士
谷仲恵輔 ・・・・・・・・・ドゥーリトル船医
大曽根徹 ・・・・・・・・・船大工のトラップ
松島圭二郎・・・・・・・・・コックのシルバー

上演台本 左門ヒサオ
(原作:ワーグナー「さまよえるオランダ人」、シェイクスピア「テンペスト」、ヴェルヌ「海底二万哩」、メルヴィル「白鯨」、泉鏡花「海神別荘」他)
演出 おのまさし
映像 上理人 高橋利行
照明 大河原英二郎
音響 根岸裕
楽曲製作 三好基裕
小道具 崇雅ファクトリー
衣装製作 天野もえ
映像オペレーター 城龍汰
劇団HP製作 長谷川靖
制作 松岡マリコ
企画製作

おのまさしあたあ

公演日程

2013年9月13日(金)〜16日(月・祝)

会場 コレドシアター

(東京メトロ千代田線 乃木坂駅 2番出口すぐ横)