第7回  作る男

とあるジャズバーに入って来た映画の助監督・本多(おの)。この店で映画のワンシーンを撮るため、集められたエキストラ(観客)に撮影内容の説明をするのが彼の仕事だ。話しているうちに、投げやりなスタッフたちに怒りがこみ上げてきた彼は、エキストラたちに呼びかける。「自分たちの手でスゴイシーンを作ろうじゃないか」本多のアツイ演技指導が始まった……


開演前のながばなし

毎回ご覧下さり、お楽しみ頂いている方を前にしてこういうことを言うのは失礼かも知れないけど(でも言っちゃうけど)、ここ3回ほどのライブに、ぼくは必ずしも満足してはいない。

「作品」としてのレベルなら、多分上がっている。自画自賛になっちゃうけど、前回なんか、「作品」としては結構よく出来ていたのではないかと思う。(と言ったって、原作つきだからね)しかし、ハプニング性は明らかに減少している。

そもそも、ぼくがこのライブで目指したものは「優れた作品」などではなく、「お客さんと一緒に作る特別な時間・空間」であった。なのに、いつの間にかハプニングを恐れ、形の整った「作品」で全体を制御しようとしていたようだ。反省する。反省して、あらためてここで初心に返ろうと思う。ということで、今回は初心に返ってのライブである。

でもまあ、言うは易し、ですよ。皆さんだって、ここ最近のライブの方が安心して見ていられたでしょう。何たって、ハプニングというヤツは心臓によくないからね。

しかしながら、である。ぼくたち芝居に携わる人間は皆(お客さんも含めて)、安心と引き替えに「スリル」を手に入れることを選んだのではないか?どんなに感動的で、息を呑むようなシーンであっても、お客さんのクシャミ一つでブチ壊しになってしまうような、そんなはかない世界にぼくらは生きているのだ。はかないからこそ、芝居には価値があるのだ。ハプニングを恐れてどうする?何が起ころうとかまうものか。やれ、やってしまえ!(ヤケクソだな)

さて、今回は映画のお話なんですが、最近、ヒマなくてホントに映画見に行ってないんです。ああ、行きたいなあ。でも、このライブやってるうちはダメかなあ・・・・もうやめちゃおうかなあ。

なんてね、ウソですよ、9割くらいは。

それでは、開演までもうしばらくお待ち下さい。

おのまさし