50代、最初の冒険

2015.3.12


おの谷の冒険「セイムタイム、ネクストイヤー」が、去る3月8日、無事に全6ステージ終了しました。
遠くにもかかわらずご来場くださったみなさま、ホントにありがとうございました(^_^)

この公演の起こりは7年前。ある事情で、谷英美さんの一人芝居「空のかあさま」を観に行った時だ。詩人:金子みすゞの半生を描いたこの芝居でみすゞを演じる谷さんは七五調のセリフを淀みなくこなし、「俺の周りにはいない、楷書体の芝居ができる女優さんだなあ」という印象を受けた。
終演後に挨拶すると、初対面も同然の(話でだけ知ってた)俺に、谷さんは「セイムタイムやりましょうよ」と言ったのだ。それが谷さん流のリップサービスだったのか、会う役者会う役者みんなに誘いをかけていたのか、今となってはわからない(今回聞くの忘れた)(^_^;) その時は俺も「ははは、いいですね」なんて言って別れた。要するにほぼその気がなかったのだ。
それが、昨年谷さんにもらった年賀状に「そろそろセイムタイムやりませんか?」などと書いてあったのを見て「そうだよな、やるならそろそろ年齢的にタイムリミットだよな」などと急にその気になったのだ。正月だから酒が入っていたのかもしれないf^_^;
アポを取り、16日に川越駅の星乃珈琲店で久々の再会。そう、我々二人とも川越市民なのだ。その時はまだまだ漠然とした話だけだったが、谷さんに「演出はどうします?」と聞かれた時、しぜんと、ネオゼネの演出家大西さんはどうかと思った。
それから一週間後、大西さんをまじえて飲む。「セイムタイムやりたいんですけど、翻訳劇の上演許可のこととか、ご存知ないですかねえ」なんて話から始めて「演出やっていただけないですかねえ」まで持って行ったのだった(^_^)

さて次に、劇場はどうしようかと思った。
お互い川越市民だから川越の会場をと思い、あちこち下見したがどうもピンと来ない。と、大西さんが「コテージでの話だから、民家みたいなところでやるのはどうかなあ」と言い、谷さんが、一度朗読劇をやったことがある可喜庵はどうかと提案した。
町田市と聞いて、チョット都心から遠すぎるのでは、と思ったが、下見して大西さんも俺も一目で気に入ってしまい、ほぼ即決であった。

かくして「おの谷の冒険」の冒険が始まった。「冒険」というのはそんなにオーバーな言いぐさではない。初めてのブールヴァール劇で二人芝居、しかも相手は初共演だ。お互い一人芝居をやってる者同士、ケンカになったりしないかやや不安ではあった。谷さんにとっては、相手は初共演だし演出家も初めてだしで俺以上に不安だったのではなかろうか。だが、フタを開けたらこれはとてもいい座組みであった。ラッキー(^_^)
セリフの音の高低・強弱と「間」に徹底的にこだわる大西さんの演出で、セリフはドンドン変わっていき、小洒落た翻訳劇だったこの芝居がドンドン身近なものになっていった。そもそも、第四の壁を開放してる時点で、演劇とは文字通りリアルなものではないのだから、おのと谷がジョージとドリスになったって、明らかに日本語で思考してたってかまうもんかなのである(^_^)
そして可喜庵にセットを仕込むとおお!(^○^) やはりここを選んだ我々の目に狂いはなかった。日本家屋でありながらカリフォルニアのコテージに見えてしまうという不思議な空間が出来上がったのだ(^○^)

かくして、我々の「セイムタイム、ネクストイヤー」は幕をあけ、好評のうちに幕を下ろしたのであった。タノシかったなあ(^_^)
俺にとっては50代最初の芝居となったが、とてもいいスタートを切れたと思う。谷さん、7年前のお誘いから今回の共演まで、ありがとうございました。大西さん、また一緒にやれてウレシかった。ありがとうございました。
スタッフの皆さん、大変お世話になりました。ホントにありがとう。
チラシのステキなイラストを描いて下さったアライさん、ありがとうございました。ジョージが絵と全然違うじゃないか!という苦情は幸い出ませんでした(^_^;)
そして鈴木工務店のハタさん、社長さん、ありがとうございました。お世話になりました。可喜庵、また行きたいです(^_^)
そしてそして、ご覧下さった皆様、ホントにありがとうございました。芝居とはドラマのみを共有するのではなく、時間と空間を共有するものだということが、あらためて実感できました(^_^)
ではまた。