王様は裸だ

2015.12.7

ショーGEKI大魔王2015「裸の王様〜ハダカのキング〜」(以下、「ハダキン」)が、去る1115日に全7ステージの幕を閉じました。

王国にお越しくださった皆様、ありがとうございました(^_^)

残念ながら来られなかった皆様、来年2月のおのまさしあたあでゼヒお会いしましょう。

 

今回はまず、ギリギリのギリまで何をやるかが決まらず、ノンキな俺もさすがにやや心配になった。あとで知ったことだが、脚本の羽広にもすべて投げ出して逃げようかと思った瞬間があったのだとか(^_^;)

8月末の企画会議で初めてタイトルを聞いた時には、キョトンとしてたメンバーがほとんどではなかったろうか。

ある日、会社を辞めたら、みんなが自分を「王様」と呼んで崇めるようになったーーなどというカフカのような不条理的導入。あらゆる人が自分を王様と呼ぶ中でただ一人、自分が恋する女性にだけは、自分が王様に見えないというラブストーリー……オモシロイではないか。いいではないか。

裸の王様、というタイトルを聞いた瞬間、メンバー全員の頭にとーるが浮かんだ。これ以外の配役はないだろう。そしてヒロインにはあけち。これもアッサリ決まった。かくして、ハダキンはようやく動き出したのである。

 

今回の公演で特筆すべきは、まず前後に長い舞台だろう。

とーるとあけち以外は全キャストが国民で、全国民が行進するシーンを作る、と決めた時点で、あの長くて段差の多いステージになることが決まったのだろうが、稽古場にあれだけの段差を作ることは出来ず、劇場にステージを組んでみて初めて、客席からの見え方がわかった部分が多々あった。

BBBシリーズ以来のカラフルな舞台、そして中央を貫くのはレッドカーペット。ここを歩くのはナカナカ気持ちのいいものでありました(^_^)

 

そして今回は、ショーGEKI初の不条理劇である。

ファンタジーではない。ファンタジーなら、ファンタジー世界に通用するルールがあるが、不条理劇にはそれがない。ある日、私は王様になったーーそのことにはなんの理由もないのだ。

理由なんてないーーこれは今回のハダキンのキーワードとなり、主題歌の歌詞にもなった。王様になったことに理由がないのと同様、誰かを好きになることにも理由はない。考えてみれば、恋愛だって不条理ではないか。ラブストーリーと不条理劇は、実はとても相性のいいものだったのだ(^_^)

 

しかし、演じる役者には役作りの問題がある。不条理な状況をどうやって自らに信じさせるか。不条理劇を演じるには、不条理でない劇をやる時以上に物語(世界)に奉仕する必要があるのだ。

……なんてことを考えない役者の方が、今回に関しては悩まないですむんだろうなあ。そう思ったから、あえて何も考えずにやることにした。俺の役は宰相ヨハンセン、元サラリーマンである。

稽古してて、王様とーるが、居並ぶ臣下たちの中で特に、俺を見てしゃべる・俺に尋ねることが多い気がした。なんだ? 頼られてるのか? よしそれならばと、「話しかけやすい宰相、笑顔の宰相」という役作りをすることに決めた。そのままやり通せたから、まあ間違いではなかったのだろう。閣僚会議のシーンはタノシかった(^_^)

誰よりも王様思いの宰相にしたから、ラストで王様が「私は幸せだ」というところは泣けたね。30年も芝居してるけど、芝居してて涙がこらえられなかったのは初めてである。お恥ずかしいノ△≦。)

 

特筆すべきあと一点は主題歌だろう。

「理由なんてない」という、不条理劇世界を・人が人に恋することを肯定するキーワードがリフレインされるこの歌は、大魔王史上12を争うくらいの好評を得たのではなかろうか。カーテンコールで主題歌を歌ったのもBBB以来であった。それほどに、ハダキンの世界を表現し切った主題歌だったということだろう(^_^)

 

それにしても、これはナカナカにしんどい芝居であった(>_<)

ダンスは2カ所のみ、歌は1曲のみ、アクションは1カ所のみ(俺はナシ)なんて、以前の大魔王公演からみればラクそうに思えたのだが、芝居全体にわたって王様に尽くし、王様のためならどんなことでもするのが臣下の務めであって、テンションの下げどころがない。かなりのエネルギーがいるのだ。修ちゃんが「『ガンバレ』をスペースゼロでやってる気分」と言ったけど、まさにそんなカンジだった。あれも「自分ではない誰かのために」という芝居だったけど、キツかったなあ(^_^;)

しかし、しんどいには違いなかったが、タノシかったねえ。出演者全員がひとつにまとまるという構造の芝居だけに、かつてない一体感をカンジたなあ(^_^)

 

出演者のみなさん、おつかれさまでした。おかげさまで王国での日々は忘れられないものになりました。

スタッフの皆さん、今回も大変お世話になりました。

そして、我々とともに王国で遊んでくださったお客様方、ホントにありがとうございましたm(_ _)m

高齢化が進むとともにメンバーの何人かが抜け、ここ数年の大魔王は試行錯誤を続けていましたが、今回のハダキンでひとつの到達点に立てたのではないかと思います。今回やってみて、まだまだオモシロイことがやれそうな気がしてきました。今後とも、ショーGEKIをヨロシクお願いしますm(_ _)m

 

どうぞ楽しいクリスマスを。そしてよいお年を(^_^)